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熱気に満ちた筑後の春…指揮官が語る成長と感謝

ちくごNews
公開日:2026.02.08

福岡ソフトバンクホークスの春季キャンプは、今日で第2クールを終えました。C組とリハビリ組が汗を流す筑後キャンプも、初日から選手たちは精力的に練習しています。

その充実感を語るのは、大越基3軍監督です。

「自分たちでやるんだという気持ちが伝わってくる。考えて練習しているのが分かるし、めちゃくちゃいい感じで取り組んでくれている。これを継続していって欲しいですね」

1993年から2003年まで福岡ダイエーホークスでプレー。現役引退後、2009年から山口県の早鞆高校で同校野球部の監督を務めました。そして、昨年4軍監督として古巣・ホークスに”復帰”した大越監督。

1年が経ち、今年は筑後キャンプの長として、選手たちを見守ります。「選手の表情はいっぱい見ますね」と視野広く観察する日々です。

ザイレン選手に声を掛ける大越3軍監督

“もし自分がC組だったら”…そこから生まれた訓示

キャンプイン初日、大越3軍監督は選手たちに”訓示”を述べました。その中で、熱を込めて例に挙げたのは、昨年C組から下克上してみせた選手の話でした。

「去年1年間、キャンプC組からずっとやってきた選手がいる。そして、支配下に上がった選手。誰かわかるか?そう、山本恵大選手。山本選手は去年1軍で初ヒットも打ったし初ホームランも打ってる。山本、コツコツと目的を持ってここで練習した姿があったので、C組でもそういう良い面をどんどんアピールして下さい。期待しています」

昨春、C組スタートから支配下を掴んだ山本恵大選手

初日から、胸が熱くなるシーンでした。

「あの言葉が出てきたのは、”もし自分がC組だったら”と考えた時に出てきたものでした」と大越監督自身が選手の立場に立ち、選んだ言葉でした。

C組スタートの現実に落ち込んだり、腐ったりして欲しくない──。

ただ、そんな心配は杞憂に終わりました。大越監督は「みんな、全然悲壮感とかなく、ここでもちゃんと野球が出来ると思ってしっかりやれているんです。腐っているような選手は1人もいない」と頷きました。

それどころか、「活気があるんですよ。分かりますよね?」と目を見開き、若鷹たちが前のめりで練習する姿に感銘を受けていました。

目に見えるそれぞれの成長

「みんな成長してるんですけど、飛田(悠成)とかは著しく成長している。石見(颯真)も木下(勇人)もリハビリ組からの参加ですけど、バッティングが良くなっている!牧原(巧汰)も去年よりバッティングも良くなってるし、野球に対する姿勢も表情も良いですね。自分で自分を客観的に見れていて、何かを得ようと頑張っているのが伝わってきます」

大越監督は、全選手の成長を感じながら、熱く語ってくれました。

飛田悠成投手
石見颯真選手
木下勇人選手
牧原巧汰捕手

また、新たなチャレンジをする若鷹の姿にも目を細めます。今年のチームスローガンは「全新(ゼンシン)」。リーグ2連覇、日本一を達成したチームを”1回壊す”。そして、新たなチャレンジをして”前進”する決意が込められています。そんな中で、育成選手たちにも、現状打破して”前進”しようとする姿勢を感じていました。

「津嘉山(憲志郎)は、ピッチングが良いですね。コントロールもいいし、彼はセットポジションの体重移動とかを変えている。去年と違う。みんなそういう部分があるんですけど、漁府(輝羽)も構えを変えていたり。新しい形で始めていますよね」と進化を求める姿勢も十分に伝わってくる今春キャンプ。

津嘉山憲志郎投手
漁府輝羽選手

新戦力の台頭による競争激化も歓迎しました。多くの新人選手が筑後でキャンプをスタートさせていますが、ハイレベルなチーム内競争を既に予感しています。

「ルーキーもみんな上手いですよ。特に、江崎(歩)は守備上手いから、他の内野も守備への意欲が上がるんじゃないかな。石見と話したんですけど、内野手は(ライバルが多くて)なかなか試合に出られないんじゃない?って。打席数減るよなって。キャッチャーも池田(栞太)が入って来たお陰で、盛島(稜大)がもっともっと野球に対する気持ちが入っている。これは成長するだろうなと。キューバの子(ジョナサン・モレノ)が入ったから、(デービッド・)アルモンテも守備への意識が上がると思う。去年よりプラスのことが多いですね」

個人の取り組みや競争意識も含め、「雰囲気が良い」と頷きました。

江崎歩選手
盛島稜大捕手(左)と池田栞太捕手(右)
ホセ・オスーナ選手(左)とジョナサン・モレノ選手(右)
デービッド・アルモンテ選手

感謝する”偉大な存在”

大越監督が、筑後キャンプ充実の大きな要因として感謝するのが、王貞治球団会長の存在でした。

「今年は王会長が初日から来て下さって、指導者のミーティングでも訓示を述べられたんです。結局、我々の仕事って、選手のモチベーションをどれだけ高めて、増やしていくか。この良い雰囲気を継続させるのが私たちの仕事。王会長が来てくれたのは、私にとっても大きなことですし、嬉しい出来事でした。選手を教えるだけじゃなくて、やる気を引き出す。そのためには、言葉や自分たちの行動が大事だと。当たり前のことだけど、王会長に言って頂くと重みが違いますね。そうしていかないと、って強く思いました」

初日から連日、筑後キャンプに足を運ぶ王貞治球団会長

大越監督は現役時代、王監督のもとで9年プレーしました。「偉大な方なので、教わったことは今になってより大きく感じる。それに、あんなに野球好きな方はなかなかいないですよ」。大きな力を受け、胸を熱くしました。

「今のところ全てが順調」と語る大越監督の表情は充実感に満ちていました。筑後キャンプを統括するリーダーがそう胸を張る活気が、今年の筑後にはあります。

悔しいはずの筑後で迎える春も、選手たち自身の思いや取り組みで、熱気を生んでいます。

Writer /

上杉 あずさ『班長』

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