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“今季絶望”から正木智也が手繰り寄せた光

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公開日:2025.08.22
"今季絶望"から正木智也が手繰り寄せた光

開幕から1か月後の4月30日に、左肩関節亜脱臼に伴う左肩関節バンカート修復術を受けた正木智也選手。術後、競技復帰は5~6か月の見込みと発表され、レギュラーシーズン中の復帰は絶望的でした。

開幕直後に突き付けられた“今季絶望”の知らせ――。4年目の今季は「5番・左翼」で開幕スタメンに名を連ね、17試合に出場して打率.259、2本塁打、8打点。アピールを続けていただけに、あまりにも早すぎる離脱となった正木選手の心情は察するに余りありました。

屋外フリー打撃再開にこぼれる笑顔

手術から間もなく4か月が経とうとしている今、正木選手は屋外でフリー打撃を開始しています。力強いスイングを披露し、ホークスベースボールパーク筑後に足を運んでいたファンも熱視線を送っていました。

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屋外でフリー打撃を再開したのは20日から。正木選手は「ティーでは2週間前くらいから100%で振れていたので、そこから1週間半前くらいからマシンを打ち始めて、20日からやっと外で打てたので、順調かなと思います」と表情も明るいです。

久しぶりに青空の下で行う打撃練習は「楽しかったです。しかも、ギーさん(柳田悠岐選手)と一緒だったので。ギーさん面白くて楽しかったです」とニコニコ語ります。

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手術をした左肩への負担を考慮し、現在はスイングの際、右手を放すことは禁止されていますが、「両手だったら100%で怖さなく振れています」と正木選手。思い切り振っていたら不意に放してしまうことも懸念されますが、「そこは気を付けないと。絶対放さないようにしないと。意識していれば、普通に振れば大丈夫です」と頷きました。

レベルアップした身体

離脱してからの4か月は、トレーニングに力を入れてきました。「身体もデカくなりましたし、パワーとか、スピード系・瞬発系も意識してやってきました。パワーっていう面では、今日打った感じも打感的に前よりいいかなと思いました。飛距離も上がった感じするし、強い打球を打てているかなと思います」とレベルアップを実感していました。

「バッティングはもう大丈夫なので、あとはスライディングと外野ノックが出来れば、いけるかな」と正木選手。守備面では現在、キャッチボールの距離を伸ばしている段階で、来週から外野ノックを受ける予定だといいます。もう少し、復帰に向けてやるべきことや、状態を上げていくべき項目はありますが、当初の競技復帰見込みよりは1か月ほど早いです。レギュラーシーズン中の復帰にも光が見えてきました。

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光がさした今季中の復帰

一時は“今季絶望”とされた中から、どうやってここまで歩みを進めてきたのでしょうか。

正木選手は「ずっと5、6か月と言われてきて、5か月かかるんだったら(今季)無理だなと思っていたけど、時間が経過していく中で、『これいけるかも』と思ってきたので、それなら(今季中の復帰を)目指してみようと思ったんです」と光がさしたのは7月後半のことでした。

「3週間に1回くらい病院に行っていて、行くたびにちょっとずつ、筋トレしていいよっていう時期とかバット振っていいよっていう時期が巻いていたんです。本当は一般の人だったら3か月経ってやっと筋トレ開始なんですけど、僕は2か月目くらいからやれるようになったので、1か月くらい(復帰時期を)巻けるなという印象がありました。だから、そのあたりからですかね。4か月ちょいくらいで復帰できるかなと思って」と正木選手。

今季が厳しいならばと、当初は来季に向けて筋肉を大きくするようなトレーニングを行っていましたが、「いけるかも」と思ってからは瞬発系のトレーニングに切り替えました。シーズン中にグラウンドに戻ることを決意し、黙々とリハビリを続けてきました。

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「復帰できるなら早く復帰したい」と正木選手。取材に応えてくれている時の表情も終始明るく、無邪気な笑顔も見せました。“今季絶望”から心身ともに前を向いて立ち上がり、むしろパワーアップして目指す早期復帰…。本当に並大抵のことではないと思います。正木選手の努力と強い気持ちが手繰り寄せた明るい光——。ファンの皆さんの心にも光さす、嬉しい話題ではないでしょうか。

Writer /

上杉 あずさ『班長』