苦しい3連戦となりました。5日からタマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグ オリックス戦。ホークスは同リーグ首位を走り、3年連続優勝の足音も聞こえてきそうなところでしたが、まさかの”大敗”といえる屈辱の3連敗となりました。
「ぐちゃぐちゃにやられたのは初めて」
松山秀明2軍監督は、「監督就任して2年目ですけど、チームとして3連戦全てぐちゃぐちゃにやられたのは初めてなので。みんながみんなそういうふうになってしまっているのは心配ですね」と振り返ります。当然、キラリと光った投手もいましたが、全体として”投壊”というような印象でした。
・5日 被安打16、失点11、四死球6
・6日 被安打10、失点10、四死球9
・7日 被安打19、失点8、四死球6
3連戦で45安打29失点、21四死球という数字も正直、衝撃的です。松山2軍監督は「この3連戦、バッテリーとしては恥ずかしい展開。今までピッチャーが頑張ってくれてここまで来たところもあるけど、ここでこういう形になるのはもったいない。1軍の状態次第で、いつチャンスが来るか分からないのに、今の状態で声かかったら1軍に行けなくなってしまう。しっかりと緊張感持ってやらないと。仕方がないでは済まない。みんなが今まで通り普通にやれていれば、こんなこと言う必要ないけど、この3連戦はあまりにも打たれすぎている」と苦言を呈します。

監督自ら投手ミーティングに
初戦の後、監督自ら投手陣のミーティングの輪に入り、話をされていました。小笠原孝2軍投手コーチは「不甲斐ないところを喝というか、どういうふうに受け止めてやっていくかというところを言ってくれました。シーズン通してこういう日もあるけど、1軍だったらこんなの大変なことになるぞと。こういう時期ですし、良ければ残れるけど、悪ければ出される、そういう厳しい世界なんだということを再度言ってくれました」と松山2軍監督の話を説明します。
コーチ陣の思い
小笠原投手コーチは初戦の後、「先発から中継ぎまでみんな、同じバッターに何度も打たれすぎ。考えて無さすぎるというか、何の対策もしてない。ブルペンでもピッチャー同士、お前はどういう攻め方をしていくのか、とかそういう会話をしてくれ」と語っていました。
その日は、オリックスの来田涼斗選手が5打数5安打1本塁打。先発が打たれているのなら、中継ぎ陣はどう攻略すべきかもっと考えて、対策して挑まないといけないはずなのに、簡単に打たれすぎていたことを指摘。チームとして、勝つためにやるべきことを考え、投手同士でもコミュニケーションをとることの大切さを説きました。

細川亨2軍バッテリーコーチは、この3連戦をどう見たのでしょうか。「逆にいい経験したと思いますし、こんな19安打も打たれることも滅多にない。自分も現役の頃、オリックス戦で20何安打打たれたっていう経験があって…。こういう経験したからこそ、じゃあ今度はどういう対処していけばいいかとか、ピッチャーにどんな気配りをしていけばいいかとか、今後に繋がる。そこはキャッチャーたちにも伝えました。俺も経験したことだし、お前たちはこんなに早い段階で経験できたんだから、次に繋げるようにやっていこうと話しました」と説明します。
バッテリー間でやるべきこと、工夫の仕方はいくらだってあるはず。試合後は毎日、細川バッテリーコーチと2軍捕手陣でミーティングが行われています。そこでは主に”考え方”の話をしているそうです。
「打たれることが悪いのではない。この配球が良い悪いじゃなくて、なぜこうしたのか、どういうメンタルで考えていたのか、ピッチャーにどんな配慮をしていたのか、とか。そういう話を試合後、キャッチャー全員で話しています。しっかりやったとしても打たれることもある。打たれても経験だし、次に繋がっていく。1軍レベルの話をしています。難しいことかもしれないけど、今のうちにそういう話をした方が、あの子らが上行った時に困らない。未来のある子ばかりなので、先に経験させておいた方がいい」と細川バッテリーコーチは選手たちの未来を思いやります。
現実として厳しい試合にはなったけれど、彼らが成長する上では良いキッカケになったのではないか。細川バッテリーコーチ自身、そういった経験をしてきたからこそ、この機会を前向きに受け止めました。

プロ野球もシーズン終盤になりました。もう一度1軍を目指す選手も、来季以降に向けてアピールを続ける選手も、立場はそれぞれですが、大事な時期に差し掛かっています。苦しい悔しい経験をここからどう生かすのか、注目して見守っていきたいと思います。