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いつか1軍の優勝に貢献する選手になるために

ちくごNews
公開日:2025.09.28
いつか1軍の優勝に貢献する選手になるために

9月27日、ホークス(1軍)は2年連続のリーグ優勝を決めました。春先から怪我人が続出し、苦しい戦いを強いられたシーズンでしたが、チーム一丸となって掴みとった最高の優勝でした。

一方、2軍もウエスタン・リーグ3連覇がかかり、”親子同日V”の可能性も期待されたシーズン最終盤。26日からの中日との3連戦は、最終カード。ホークスは1つでも勝つか引き分ければ優勝、一方のドラゴンズは逆転優勝には3連勝するしかないという状況でした。

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こういう試合で力を出せる選手になって欲しい

圧倒的優位に立っていたホークスでしたが、初戦、2戦目と痛すぎる連敗。そして、迎えた28日の最終戦。勝った方が優勝という、リーグ戦を戦うプロ野球ながらも、トーナメントの”決勝戦”のような緊張の中、試合が行われました。

試合前、松山秀明2軍監督は「こういう経験はなかなかしたくて出来るものじゃない。そういう試合を楽しめるか。この1試合、自分たちがどれだけ力を出せるか、楽しめるか。結果は僕の責任なので」と選手たちを鼓舞しました。

前日にも松山2軍監督はこう語っていました。「泣いても笑っても明日が最後。こういう試合で力を出せる選手になって欲しいし、逆にこういう試合で力を出せないと、1軍の優勝争いの中に入っていけない。みんな目指しているのは、そこに加わってプレーすること。そのためには、いいステップアップになると思う」と力を込めました。


試合は、2回に先発の村田賢一投手が2点を先制される展開。野手陣もなかなか相手の好投手を打ち崩すことが出来ぬまま、試合は終盤へ。7回、廣瀨隆太選手の犠飛で1点を返しましたが、中日投手陣に封じられ、そのまま試合終了。非常に悔しい3連敗で優勝を逃しました。

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試合後のミーティングで語られた言葉

試合後すぐ、松山2軍監督は選手たちを食堂に集めて話をしたといいます。「優勝出来なかったのは、完全に僕の責任なので。ここまで優勝争い出来たこと自体、1年間彼らが頑張ってくれたお陰。僕も選手には感謝。優勝させられなかったことは僕が謝るしかないです」と”V逸”の責任を受け止めると共に、選手たちへの感謝を口にしました。

また、これで今季のファーム公式戦が全て終了しましたが、「僕たちは2軍の組織なので、ゆっくり休むわけにはいかない。ここからCSや日本シリーズのメンバーに選ばれる選手がいるかもしれないし、来年に向けてのスタートなので。そういう話をしました」と切り替えて前を向きました。

2軍とはいえ、やはり優勝争いの中で敗れ、優勝出来なかったことは悔しい現実。応援するファンの皆さんも、関係者の皆さんも、悔しい気持ちや残念な気持ちを抱く方はいらっしゃるでしょう。私もとても悔しいです。

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「逆転V逸」を未来に繋げて…

2年前、当時小久保裕紀2軍監督の下、2軍ながら大いに優勝を意識した日々が色濃く残っています。あまり「2軍なのに」とは言いたくありませんが、森唯斗投手らがチームを引っ張り、本当に「2軍なのに」と言いたくなるくらい大いに盛り上がり、優勝を目指しました。


2軍の在り方については様々な考えがありますが、育成も出来て、優勝も出来たら最高ですよね。あの年は2軍戦とはいえ、選手たちも優勝への使命感と緊張感の中で必死になり、心身ともに成長を遂げた選手も多かったのではないかと思います。

一方、今年は当時の森投手のようなキャラクターでチームを「優勝するぞ」と引っ張る選手はいませんでした。1軍を目指し、日々自分のことに必死になる選手たち。もちろん、ファームだからそうなんです。そんなところも含めて成長過程なんです。

きっと3連敗で”逆転V逸”だなんて、悔しくないわけがありません。

1軍での悲劇を忘れられないファンの方も多いはず。2022年シーズン、あと一歩のところで優勝を逃した苦い経験がありました。

でも、そんな経験を経て、強くなった選手たちがどれほど今回のリーグ優勝に貢献したでしょうか。1軍はもっともっと壮絶な緊迫感の中で戦っていますが、2軍で今回の悔しさを知った選手たちが、これからどう成長していくのか。私はそこが見たいと思いました。

現実を受け止め、悔しいだけの経験にしないで欲しい。いつか1軍で”優勝”に貢献するような大選手になるための、良いキッカケにしてくれると信じています。

帰り際、Bambies取材班に「せっかく名古屋まで来てくれたのにね」と申し訳なさそうに声を掛けてくれた松山2軍監督。ホーム最終戦セレモニーでファンに向けて語った感謝の言葉からも、監督自身もいろんな思いがある中、本気で”優勝”したかったはず。

2軍のシーズンは終了しましたが、戦いの日々はこれからも続きます。いつか1軍の優勝に貢献する選手になるためにーー。奮闘する選手たち、それを支える首脳陣のこれからに注目したいと思います。

まずは、本当にお疲れ様でした。

(Bambies班長 上杉あずさ)

Writer /

上杉 あずさ『班長』