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強くいられたのは「和巳さんのお陰」 苦しみながらも挑み続けた1年

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公開日:2025.10.18

今季を振り返ると、「キツかったですね、いろいろと」と思わず本音がこぼれました。

独立リーグの福島レッドホープスからプロ入りして2年目のシーズンを終えた大泉周也選手。育成2年目とはいえ、社会人、独立リーグを経て24歳でのプロ入り。高卒や大卒の選手に比べるといち早い活躍が求められます。

入団時から王貞治球団会長が目を付けるほどの飛ばす力を持ち、期待されてきました。しかし、1年目は2軍戦わずか11試合の出場に留まりました。

苦しい時に助けてくれた指揮官の存在

今季は開幕から2軍でしたが、なかなか結果が出ません。4月に山本恵大選手が支配下登録された時は、精神的に堪えるものがありました。というのも、同学年で同ポジション、同じ左打ちの選手が限られた支配下枠を掴んだということは、当然、自身の立場が厳しくなるのがプロの世界。さらに、山本選手が1軍でプロ初出場を果たした日、大泉選手は3軍で試合に出ていました。

苦しい胸の内は察するに余りあります。その時は斉藤和巳3軍監督も、大泉選手のことを思いやりました。監督自ら、取材に来た私たちに、大泉選手が健気に努力し続けていることを熱く語ってくれたこともありました。

さらに、支配下登録期限を迎える7月に再び3軍へ。その時も大泉選手の心のダメージは大きかったです。

「今年はいろいろとキツかったです。でも、その度に和巳さんに声を掛けて貰って、いろんなことを言ってくれて。僕はすごく助かりました」と指揮官に感謝しました。

「『誰かが見てるからな』と言ってくれましたし、『可能性がゼロになるまではやり続けるしかない。諦めたらもう終わりだから』ってずっと励ましてもらったので。気持ち切れずにやれました」

大泉選手が強くいられたのは、斉藤和巳3軍監督のお陰でした。

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社会人野球、独立リーグも経験して辿り着いたプロ野球の世界。独立リーグ時代は環境面で厳しい経験もしてきましたが、「試合数も断然プロの方が多いですし、何より同級生とか同世代の選手がどんどん1軍にいく姿を見ながら、自分は3軍でやってる…その現実がキツいですね」。

プロの方が気持ちの面で苦労することが多いといいます。「独立の時は身体とか環境面のキツさはあったけど、プロに行きたいという思いだけでやってこられました。でも、今はいろんな思いがある。同年代の選手が活躍しだして、自分は3軍で…」。現実を突き付けられる中で、自らと向き合い、結果を求めて走り続けるーー。プロの宿命ではあるものの、今年は精神的に堪えることが多くありました。

「やっぱり勝ちたいじゃないですか」…折れることなく挑み続けた1年

それでも、コツコツ足元を見つめて真摯に野球に取り組んできました。ファームのシーズンは終了し、実戦の機会も現状ありませんが、「来年に向けてやるしかないので」と気持ちを切り替えます。実戦形式の打撃練習が出来るトラジェクトアークを熱心に活用。日替わりで各球団の”エース級投手”と対戦しています。そこで手応えを掴み、10月10日のみずほPayPayドームでの3軍練習試合では、豪快な本塁打を放ちました。

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外野手のライバルは多いですが、それに加えて、今年は井上朋也選手や石塚綜一郎捕手、藤野恵音選手など、内野手登録の選手たちがこぞって外野で出場機会を増やしました。その時も、「和巳さんと『頑張るしかない』って話して。やっぱり勝ちたいじゃないですか」と悔しい気持ちを抱きながらも、ファイティングポーズは崩しませんでした。

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来年もチャンスが貰えるのならーー。
現在、斉藤和巳3軍監督はみやざきフェニックス・リーグで指揮を執っており、来季もこのまま2軍を率いる可能性がありそうな現状。仮にそうなるのであれば、再び共に戦い、そのまま一気に支配下、1軍へ……。”恩師”への感謝を込めて、来季の飛躍を誓いました。

Writer /

上杉 あずさ『班長』

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