若鷹の「いま」に会える場所

若鷹応援メディア Bambies

大切な同期への想いを胸に…藤野恵音が抱く覚悟

若鷹たちのBe.Real
公開日:2025.11.03

同期の絆は消えない──。
仲間たちの思いも力に変えてみせる。

2021年ドラフトの高卒組は、入団当初から仲良しでした。ドラフト1位が風間球打投手、同3位が木村大成投手の世代。育成でも9人の選手が高卒で入団しました。11人の高卒同期たちは、ライバルでありながら、共に支え合い、励まし合ってきた仲間でした。

しかし、3年目が終了した昨オフ、4人がホークスのユニフォームを脱ぎました。厳しい世界であることを身に染みて痛感した瞬間でした。そして、今オフには風間投手、加藤晴空捕手の2人がチームを去ることに・・・。

この年の育成1位で入団した藤野恵音選手は、「特に晴空は野手でずっと一緒だったのでショックでした。球打も仲良かったので、寂しいですね」と思いを語ります。

そこで、藤野選手が企画して、先日同期会を開催しました。「最後にみんなで集まりたかったので」と招集をかけました。

今年オイシックス新潟アルビレックスBCでプレーした瀧本将生投手は福岡を離れているため、そして、NPO法人ホークスジュニアアカデミーでコーチをしている三代祥貴さん、福岡県内で働いている佐久間拓斗さんは仕事の都合で来られなかったといいますが、8人が揃って食事を共にしました。

プロ野球のスタートを共にした仲間が揃う貴重な時間になったといいます。

藤野選手は「毎年毎年、『今年が勝負だな』っていうのはみんなで話していました。その中で、クビになる人も出てきた。寂しい部分もあるけど、残れた僕らは頑張らないといけない」と気持ちを込めました。

改めて、決意を強くしたのでした。

藤野選手は、「今年はずっと2軍にいられて、しっかり2軍でプレー出来たことは良かった。支配下になるのがまず目標だけど、2軍で出続けられたのは大きかったです」と一定の手応えを感じたシーズンでした。昨季まで3シーズンでわずか4試合の出場だった2軍戦も、今季は71試合に出場しました。内野手登録ながら、外野に挑戦し、奮闘。打率.249と食らいつきました。

もちろん、今季中の支配下登録を目指してきましたが、叶いませんでした。限られた支配下枠を掴んだ川口冬弥投手や宮﨑颯投手は来季構想外の通告を受け、育成再契約が打診されました。

もし、自分が支配下登録されていたとしても──。

藤野選手は「僕もあと1枠で滑り込んでいたとしても、1軍で結果出せないとこうなることは分かっていました。去年、仲田(慶介)さんとかを見ていたので。厳しい世界だとは思っています」

育成選手の目標として、支配下になるだけではダメなことは、昨年の先輩たちを見ていてひしひしと感じました。

だからこそ、2軍でアピールできた今季にも、当然満足はしていません。「今年はヒットは出ていたけど、内容的に自分が求めているヒットではありませんでした。ちょこちょこしたヒットが多くて。今、秋季練習はフィジカル組でウエートトレーニングもしっかりやっているので、来年1軍で対応出来るようなバッティングを求めてやっていきます。長打も増やしたいと思います」

1軍で勝負出来る選手になるために、心身ともにレベルアップを目指す秋。

4年前、育成入団か大学進学か、悩んだ末に選んだプロへの道。来季がもう5年目になります。ドラフトで指名された大学生とは同学年。自らの行動と結果で、藤野選手は歩んできた道を必ず”正解”にしてくれるはず。

Writer /

上杉 あずさ『班長』

Pickup /

ピックアップ記事

Sponsor/

スポンサー

View More