大城真乃投手がここ1番の”大舞台”で、最高のアピールを見せました。
12日にMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島で行われた「エイブルトライアウト2025 〜挑め、その先へ〜」。
10月7日に福岡ソフトバンクホークスから来季の契約を結ばない旨を通達された大城投手。20年の育成ドラフト7位でホークスに入団した22歳は現役続行を目指し、トライアウトに挑戦しました。
参加投手は打者3人と対戦。大城投手は、実績ある選手らから3者連続三振を奪う圧巻の投球を披露しました。


1人目は西武の20年ドラフト1位・渡部健人選手。この日の第1打席に本塁打を放つなど、アピールしていたスラッガーに対し、チェンジアップでバットに空を切らせました。2人目の鈴木蓮選手に対してはスライダーで空振り三振。
3人目は広島の松山竜平選手。地元開催のトライアウトで一際拍手を浴びていたベテランは、この日3安打を放つ活躍でした。「対戦表見た時から、大丈夫かなと思ったんですけど(笑)」と苦笑いしていた大城投手ですが、スライダーで完璧にタイミングをズラしてみせました。この日、最も手応えを感じた対戦でした。
大城投手の登板時、後ろを守った川原田純平選手は「大城がめちゃくちゃいいピッチングしていて嬉しかった。外から見ていて、1番良いピッチャーだと思った。純粋に嬉しかったです」と同期の活躍に胸を熱くしていました。
登板後、取材に応じた大城投手は「緊張しました」と囁きましたが、堂々たるマウンドでした。

現役続行の道を模索する上では、何としても結果を出したい大一番。そのプレッシャーがある中で見せたパフォーマンス。「キャリアハイくらいの感覚で投げられたので良かったです。まだ息上がってます」と普段寡黙な左腕も、珍しく興奮気味に語りました。
「今までやってきたことを、これから野球続けるにしろ、辞めるにしろ、最高の形で表現できたかなと思います」
清々しい表情ながらも、冷静に先を見つめた大城投手。もちろん、NPBで現役続行したい気持ちが1番ですが、野球を辞める選択も考えた22歳。

球団から来季の契約を結ばない旨を通達されてしばらくは、「何も考えず、自由に過ごしてみました」と1度身も心もリセットしました。
すると、「野球やりたいです。日本シリーズとか見ていたら、野球やっぱりやりたいなぁって思いましたね」と再確認した野球への思い。
「野球続けられたら、また頑張っていきたいなと思います。今後どうなるか分からないし、まだ感情は分からないです。ひとまず、手応えある投球が出来ました」と素直な思いを語ってくれました。

小柄ながら高い身体能力を持つ貴重な変則左腕。真面目で、控えめな性格が良いところでもありますが、もっともっと自信を持ってガツガツいって欲しいな、なんて思うこともありました。でも、こんな舞台で”キャリアハイ”のパフォーマンスを見せられたんです!もっともっと胸を張って、自信を持って次に繋げて欲しい。現役続行への道が繋がりますように。
