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真砂勇介”3度目の引退試合” 語る次の夢とは…

特集記事
公開日:2025.12.16

「THE LAST GAME 2025」──。
現役引退を決断したプロ野球選手のセレモニーを兼ねた“特別試合”が6日、北九州市民球場で行われました。

応援してくれたファンや支えてくれた家族に、最後の雄姿を見せる場所として、スカイA主催、日本プロ野球OBクラブ、日本プロ野球選手会の協力の下で開催されました。

4回目を迎えた「THE LAST GAME」。今年は23選手が出場しました。「EAST HOPES」と「WEST DREAMS」に分かれて、7回制で対戦。元福岡ソフトバンクホークスの真砂勇介選手も出場しました。

試合が始まる前から、持ち前の明るさでベンチを盛り上げる姿はさすがでした。「WEST DREAMS」の「6番・中堅」で出場した真砂選手。第1打席では、バットを高く掲げて”ホームラン予告”。豪快な空振り三振で球場を沸かせました。

真砂選手の姿には、見ているこちらも思わず笑顔になります。

現役時代と変わらず、終始元気に声を出して盛り上げる姿が印象的でしたが、「あんまり声出そうと思っても、普段出してないのでなかなか出なかったんですよ。ブランクありましたね〜」と”声の衰え”を感じていたようです。

「楽しかったですよ。お客さんの前でまた野球が出来るとは思っていませんでした。全然野球やってなかったので、身体はやっぱりキツかったですけどね」と清々しく振り返りました。

実は3度目の”引退試合”

2022年オフに10年間プレーしたホークスを退団。現役続行を求めて受験した12球団合同トライアウトを経て、翌年から社会人野球の日立製作所でプレーすることになりました。

すると、両親が中国で出生していることなどから、2023年3月開催のWBCに中国代表として出場!一躍注目を集めました。

日立製作所では2シーズンプレーし、昨秋の日本選手権をもって現役を引退。

「京セラドームの日本選手権が最後だというのは、家族に伝えていたし、家族も最後見に来てくれたので」と自分の中では、社会人野球最高峰の舞台が”引退試合”でした。

ところが、今年3月、ホークスのOB戦「SoftBank HAWKS 20th ANNIVERSARY SPECIAL MATCH Supported by 昭和建設」が開催されることになり、真砂選手にも招集がかかりました。

道半ばでホークスを去った真砂選手にとって、この舞台はファンの皆さんにユニフォーム姿でのプレーを見せる”最後の”貴重な機会となりました。

OB戦が最後だと思っていた中で、今度は「THE LAST GAME 2025」の出場オファーが届きました。「実質3回目ですよ!」と真砂選手は笑いましたが、3度目の”引退試合”の舞台が用意されたのでした。

こうして声が掛かるのも、真砂選手が多くの人に愛された証でもあるでしょう。3回目とはいえ、家族の前で元気にプレーする姿を見せられたことに充実感を滲ませました。

「それが僕の特権」新たな道で感じる感謝

野球を引退し、今年からホークス時代を過ごした福岡で社会人として新たな人生を歩み始めました。

今年1月、自身のインスタグラムで株式会社オーテックに就職したことを報告しました。幅広い産業資材・工業用品を取り扱う商社で、営業職を任されています。「いや、難しいですよ。メーカーさんからものを買ってお客さんに売る、みたいな仲介役。いろんな商品やものを覚えないといけないから大変です」と奔走してきた1年を振り返ります。

「営業は知らないところに1人で行くので、勇気がいることですけど、野球をしていたこともあって、もっと辛いことを経験しているので。もちろん、断られることもありますけど、これくらいへっちゃらだと思いながら」と果敢に挑む日々です。

野球熱の高い福岡で、営業先には真砂選手のことを知っている方もいるでしょう。「ありがたいことに、そういう方もいらっしゃるので、それが僕の特権ですよね。知ってくれてる人がいるのは嬉しいことです」と感謝します。

先方が真砂選手を知ってくれていたことがキッカケで、上手くいった仕事もあったそうです。「それがなかったら断られていたけど、考えてくれました。ありがたいことです。僕の仕事は人と人との繋がりが大事なので、これからもそこを大事にしていきたいですね」と今までと変わらず、人との縁を大切に挑戦し続ける覚悟です。

様々な経験を経て、始まったネクストステージ。真砂選手に、今後の夢を聞いてみました。

「子どもが生まれるので、まずは大人になるまで責任もって育てないとね。これからは、子どもの夢を応援するというのが僕の新たな夢ですね」

真砂選手が口にしたのは自身のことではなく、愛息子のこと。子煩悩な横顔を覗かせました。

今度は父親として、応援する側に──。

「もう自分の人生より、家族の人生に費やしたい。……俺、いいこと言うね!」

豪快な笑顔で語ってくれました。「今日1日楽しみました!良かったです!」嬉しいことに”3度目の正直”となった引退試合も、清々しい表情でやり切りました。新たなステージでも、持ち前の明るさで活躍してくれることでしょう。

Writer /

上杉 あずさ『班長』

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