若鷹の「いま」に会える場所

若鷹応援メディア Bambies

「怒られるのかと思いました」開幕投手を任された藤原大翔の決意

上杉あずさのスコアブック
公開日:2026.03.06

2026年シーズン、2軍の開幕投手を任されたのは、育成3年目の藤原大翔投手でした。

来たる3月14日、3地区制に再編されたファーム・リーグが開幕。西地区所属となった福岡ソフトバンクホークスは、敵地の杉本商事バファローズスタジアム舞洲でオリックス・バファローズと戦います。

その2軍公式戦初戦で先発マウンドに上がる“大役”を任されたのが、春季キャンプでも一躍注目を集めた育成右腕です。

2023年育成ドラフト6位で飯塚高校から入団。当初からポテンシャルの高さは誰もが認めていましたが、3年目の春、よりレベルアップした姿で周囲を驚かせています。

藤原投手は、開幕投手を告げられた時のことを明かしてくれました。

2月28日、社会人野球・日本製紙石巻とのB組練習試合──。藤原投手はこの試合に先発し、3回1安打1失点。20日の紅白戦、23日の侍ジャパンとの練習試合に引き続き、持ち味を発揮しました。

その試合後、斉藤和巳2軍監督にベンチに呼び出されたという右腕。

「なんで呼ばれたか分かるか?」

斉藤2軍監督に問われると、「わからないです」とキョトンとした藤原投手。そこで、「開幕、頼んだぞ」と“大役”を託されたのだといいます。

「ビックリしました。全然、予想していなかったです。怒られるのかと思いました」とクシャっと笑って振り返りました。

「『いけるか?』って言われたので、『いけます!』って言いました」と藤原投手が物怖じすることはありません。嬉しい“呼び出し”を真っ直ぐに受け止めました。

師弟そろって開幕投手に

そして、同日、小久保裕紀監督が1軍の開幕投手に指名したのが上沢直之投手でした。藤原投手が、今オフに初めて弟子入りした“師匠”。師弟ともに“開幕投手”という素晴らしいスタートを決めたのです。

藤原投手は、上沢投手に宮崎ですぐに報告しました。「『開幕投手になりました』って言ったら、『頑張ろう』って言われました」とニコリ。練習の合間だったため、ゆっくり話すことは出来ませんでしたが、1つ“恩返し”になる報告だったのではないでしょうか。

上沢投手との自主トレは、面識がなかったにも関わらず、球団支給の携帯電話から連絡先を探し、自らお願いしたことで実現しました。藤原投手が誰かに相談したでもなく、自ら考え、行動したことに首脳陣も成長を感じていました。

藤原投手は、「上沢さんは真っ直ぐでも空振りが取れるし、カーブの軌道も似ているのかなと思っていました。僕は落ちる系の球が欲しいなと思っていたので、まさに上沢さんだと思いました」と迷うことなく、行動に至ったといいます。

「上沢さんに教えて貰って、カーブもですが、チェンジアップが良くなりました。フォークみたいに挟むんですけど、ちょっとスピードを抜いて、落ちるようになりました」

習得を目指していたフォークを、自身の投げ方にマッチした球種にするべく、フォーク系のチェンジアップとして研鑽に励んでいるといいます。

「めちゃくちゃ優しいです」と上沢投手と過ごした時間で、飛躍の年へのたしかな土台が出来ました。

「気合い入ります」どんなマウンドでも強心臓男

オフの成果を発揮するように、春季キャンプではアピールを重ねました。先月23日の侍ジャパンとの一戦では自己最速156キロをマークするなど、侍打線を封じ、球団内に留まらず、全国の野球ファンにインパクトを残しました。

ここまで注目を浴びると、見えない疲労も溜まっているはずですが、「全然大丈夫です。意外といけました。球数多くなかったので」と藤原投手。

球数云々以上に、緊張感などでの疲労が気になったのですが、「あんま無かったです」とケロリ。強いて言うのであれば、「侍ジャパンの時のブルペンではちょっと緊張したけど、意外といけました」と笑います。やはり、この男は強心臓です。

注目を浴びたことによる身の回りの変化を問うと、「気合い入ります。それくらいです」と変わらずの“藤原節”。

変なプレッシャーなど感じることなく、意気に感じ、開幕を楽しみにしていました。

ファーム開幕まで残り1週間となりました。明日の春季教育リーグの阪神タイガース戦(日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎)で開幕前、最後の調整予定だといいます。

キャンプイン前、藤原投手はこう語っていました。

「まずは支配下です。キャンプからアピールして、開幕前に支配下になって、上沢さんと一緒に1軍で投げます」

頼もしいほど力強く語った目標でした。有言実行のアピールで、首脳陣からの期待も間違いなく高まり、”大役”を掴みました。

師匠より一足先に迎える”開幕”で、どんな姿を見せてくれるのか──。飛躍の1年を占う、楽しみなスタートになりそうです。

Writer /

上杉 あずさ『班長』

Pickup /

ピックアップ記事

Sponsor/

スポンサー

View More