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2軍降格も「そりゃそうだよな」髙橋隆慶が冷静に見つめる”現在地”

上杉あずさのスコアブック
公開日:2026.03.19

冷静に納得した”降格”でした。

ファーム・リーグが開幕した14日から2軍に合流したルーキーの髙橋隆慶選手。15日のオリックス・バファローズ戦で公式戦初安打を放つと、そこから3試合連続安打中です。18日の広島東洋カープ戦ではプロ初打点を挙げると、2試合連続で適時打を放ちました。持ち味の打撃で存在感を見せています。

昨秋のドラフトで5位指名を受け、社会人野球の名門・JR東日本から福岡ソフトバンクホークスに入団しました。

“社会人NO.1スラッガー”と評された即戦力ルーキーは2月、B組で春季キャンプをスタート。すると、与えられたA組参加のチャンスで、見事アピールに成功し、第3クールから正式にA組昇格。限られた椅子を自ら掴み取りました。攻守にアピール出来たキャンプを完走すると、3月3日のヤクルトスワローズとのオープン戦(みずほPayPayドーム)では、劇的なサヨナラ本塁打を放つなど、インパクトを残しました。

納得した2軍降格の現実

ところが、ファーム開幕とともに2軍に降格。髙橋選手は「そりゃそうだよな」と冷静に納得したといいます。

「内野をやる以上、打ち取った当たりをアウトに出来る安心感がないと、1軍ではキツい」

小久保裕紀監督にも直接言われたといいます。守備、特にスローイングに関しては「自分でも課題だと思っています」と自覚していました。

それでも、キャンプ中は「スローイングも思ったより良かった」と首脳陣に評価されるなど、アピール出来ていたのです。

ところが、「キャンプが上手くいきすぎていました。バッティングも守備も自分の持っている力以上のものが出ていました」と髙橋選手は振り返ります。

アピールしなければならない時期に、自分の力以上のものを発揮出来るというのは、プロとして素晴らしい能力です。

しかし、髙橋選手は冷静でした。自分の実力は自分が1番理解しているのです。

「そこまで自分のことを良く評価していないので。自己分析した時に、周りを見て、自分の足りないものが見えてきちゃうタイプなので。ネガティブな感情はないんですけど、理想を掲げるよりは現実を見る感じです。2軍に落ちるってなった時も、そんなにショックとかはなくて。そりゃそうだよなと。1軍で試合に入れば入るほど、レギュラーで出る選手たちとの力の差を感じました」

決して卑下しているわけではありません。冷静に分析した自身の”現在地”を真っ直ぐに受け止めていたのです。

プロへの道を切り開いた自己分析

感じた力の差は「総合的な部分、実戦力」と髙橋選手。「単に打つ力なら通用するところもあったけど、守備や走塁、実戦での対応など、相手があるようなものになってきた時に、ミスが起きているので」と頷きます。

レベルアップのために求めるのは”プロでの経験値”です。「プロで経験していかないと、伸びていかないものだと思います。そういう点では、自分が1番下なので」とファームでの実戦機会に意欲をみせます。

そして、繰り返す”自己分析”。

「これをやらないと、自分の場所を見失ってダメになるんです。自己分析をやれるようになって、大学の時にいけなかったプロの舞台に、社会人になっていくことが出来たんです」

髙橋選手は中央大学時代、プロ志望届を出すも”指名漏れ”を経験しました。「あの時は、『プロになりたい、プロになりたい』と目標だけ高くて、自分に何が足りないかを考えずに、やりたいようにやっていて結果が出なかった。言ってるだけで、行動が伴っていませんでした。今思うと、すごく子どもだったなと思います」と苦い経験を思い返します。

その経験を経て、社会人時代により深く見つめた自分自身。

JR東日本で迎えた初めてのキャンプ中、「先輩たちはもっと考えてやっているよ」とコーチからの一言にハッとしたといいます。

その頃から野球に対する向き合い方が変わりました。 考える力がつき、”自己分析”は気付けば習慣となっていました。

「ただやっているだけになると時間ももったいない。自分は他の選手より時間がないので、量も質もこだわって。量をやる中で、質を上げていけば、自然と結果も出るのではないかなと思っています」

まるで”他人”が語っているかのように、自身のことをとことん冷静に見ている髙橋選手。

「まだ足りないものばかりですよ」と真っ直ぐ足元を見つめています。まだまだ始まったばかりのルーキーイヤー。静かに熱く燃える男がどんな歩みをみせてくれるのか、楽しみにしています。

Writer /

上杉 あずさ『班長』

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