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悔しくて眠れなかった夜を越えて…掴んだ念願の”初安打”

若鷹たちのBe.Real
公開日:2025.08.15
悔しくて眠れなかった夜を越えて…掴んだ念願の"初安打"

最高の笑顔が光りました。公式戦デビューから3試合目、11打席目でした。来日3年目のホセ・オスーナ選手が待望の”プロ初安打”を放ちました。

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「8番・右翼」でスタメン出場した8月14日のウエスタン・リーグくふうハヤテ戦の第3打席、初球を振り抜くと、左翼への二塁打になりました。オスーナ選手は二塁ベース上で両手「ピース」を掲げ、喜びを噛み締めました。

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「心から嬉しい」と試合後、オスーナ選手は満面の笑み。「最初はヒットが出なくて悔しかったけど、ようやく1本出て嬉しいです」と語りました。

12日の同戦で2軍戦初出場。スタメンでチャンスを貰いましたが、4打数4三振という結果に。「最初は打てなくても落ち込むな。ポジティブにやっていこう」と松山秀明2軍監督に声を掛けられたと言いますが、さすがに肩を落としました。

結果に関わらず、いつも笑顔で手を振りながら引き上げて来るオスーナ選手が、この日ばかりは無言で一人、スタスタと室内練習場奥の打撃マシンへ一直線。通訳のゲレーロさんも「ナイター後に自ら打ちに行くのは初めてのことです」と心中を察しました。

その日は、悔しくて眠れず、翌朝もトレーニング場に向かったそうです。「4三振は初めて。日本に来て、1番悔しかったです。練習しないといけないと思いました」と自身の行動を振り返ります。

本人としては悔しくてたまらないデビューでしたが、松山2軍監督は「この悔しさをずっと持っていられたらいい選手になるよ。悔しさをすぐ忘れる人は練習しなくなるから」とゲレーロ通訳と国際部の上田徹平さんを通して伝えたそうです。

オスーナ選手が日本で初めて直面した大きな壁。たった3試合の中でも、オスーナ選手の心の成長が垣間見える時間でした。刺激を受ける良い時間になったはず。これからビッグな選手になっていく上で、1つのターニングポイントになるかもしれない2軍デビューでした。

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試合後には、初安打の知らせを受けた斉藤和巳3軍監督がオスーナ選手と笑顔でグータッチに。心温まる瞬間でした。

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育成入団して3年目。3月に18歳になったばかりの若鷹は、2022年12月にドミニカ共和国から15歳の若さで異国の地にやってきました。

1年目は3軍でレベルアップに励みましたが、オフに左肩を手術。2年目の秋には、フェニックスリーグに出場し、3年目への期待値も高まりましたが、今春キャンプで右太ももを痛めて離脱。オスーナ選手は「ドミニカでオフにしっかりトレーニングをしてきたから、すぐに怪我をしてしまって悔しかった」と振り返ります。3月上旬に実戦復帰するも、2日で再びリハビリに戻ることになりました。それでも、オスーナ選手は「これも経験と受け止めて前を向けました」と下を向くことなく再復帰を目指してきました。

そして、「まずは2軍合流を目指してやってきたので、嬉しいです」と念願の2軍の舞台へと辿り着くことが出来たのでした。

「肩の強さもバッティングも良くなったし、筋肉も今まで以上についてきました」と成長を実感するオスーナ選手。”プロ初安打”も大きなエネルギーにして、まだまだ成長してくれるはずです。

将来の夢は、「世界一のバッターになりたい」と語る18歳。現在、オスーナ選手が思う”世界一の打者”を聞いてみると、「オータニ」(大谷翔平)と思わず笑みがこぼれました。

ちなみに、オスーナ選手の従兄弟はMLBブレーブスでプレーするマルセル・オズナ選手。2020年に本塁打王、昨季も大谷選手と本塁打王を争ったスラッガーです。

大谷翔平選手にも憧れの眼差しを向ける若きドミニカンは、まずは2軍に定着し、支配下登録。そして、1軍での活躍を誓いました。

Writer /

上杉 あずさ『班長』