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「来年も野球出来るように」…期限を迎えた育成選手たちの思い

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公開日:2025.08.01
「来年も野球出来るように」…期限を迎えた育成選手たちの思い

支配下登録期限を迎えた7月31日ーー。

支配下枠70人のうち、69人選手登録をしていたホークスは、残りの1枠を埋めることなく、この日を迎えました。

開幕前、54人の育成選手を抱えていたホークス。今季はここまで山本恵大選手、川口冬弥投手、宮﨑颯投手が育成から支配下を掴みました。最後の1枠を目指して奮闘してきた51選手に”吉報”は届きませんでした。

2軍はこの日、みずほPayPayドームでウエスタン・リーグ くふうハヤテ戦の3戦目を戦っていました。3桁の背番号を背負う選手たちは支配下登録期限最後の最後まで力を出し切りました。

“最後の1枠”最有力候補かと思われた2年目の宮里優吾投手は、今季2軍で17試合に登板し、防御率0.48と圧倒的な結果を残し続けてきました。本拠地でのこの3連戦も2度登板し、いずれも無失点の好投でした。

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ところが、今季中の支配下昇格は叶わず。宮里投手は「やっぱこれが今の実力かなと。次に向けて止まってる暇はないので、やるしかないです」と既に前を向いていました。

川越英隆コーディネーター(投手ファーム統括)は「真っ直ぐも速いし、球質自体は1軍レベル。フォークの落差もチームでトップレベル」と評価していました。それでも今季中に叶わなかった2桁の背番号。川越コーディネーターは「追い込んでからの変化球の精度がもう少し欲しい。真っ直ぐ、フォークはいいところまで来てるけど、第3球種(スライダー)ももうちょっとレベルを上げる必要がある」と現状を説明しました。

ただ、「惜しい!支配下レベルのすぐそこまで来ている」と期待していることには変わりありません。更なるレベルアップを目指し、次は2桁の背番号をつけて躍動する姿を心待ちにしています。

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そして、”オールドルーキー”として社会人、独立リーグを経て25歳で入団した大友宗捕手は、「何となく感じてはいました…」と7月31日を迎えた心境を明かしました。

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この日はスタメン出場し、先制適時打を放つなど存在感を示しました。2軍ではここまで27試合に出場し、打率.217。出場機会の兼ね合いなどもあり、3、4軍の非公式戦にも34試合出場し、打率.365、4本塁打とインパクトあるプレーも光りました。

同じく”オールドルーキー”と言われた川口冬弥投手は、ポジションこそ違えど、6月に一足先に支配下登録されました。大友捕手は「悔しい気持ちもあるけど、嬉しいの方が強かったかな。やっぱり社会人、独立と似た環境でやってきたので。川口が先に上がったけど、自分も …と思ってやって来ました」と励みになる存在だったそうです。「来年もここにいられるように。ここで川口とバッテリー組めたらいいですね」と言ってみずほPayPayドームを後にしました。

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内野手登録の育成選手たちも前半戦、奮闘してきました。

3年目の西尾歩真選手は、この日を迎え、「思うことはありましたけど…気持ちを切り替えて」と頷きました。「今日までは支配下になることが目標だったので悔しいですけど、ここからは成績落としたらオフにクビもあるので。来年も野球出来るように。ここから頑張れば来年もあるかもしれないので、切り替えてアピールし続けないと」と食らいつく覚悟を覗かせました。

7月はスタメン出場した7試合中5試合で複数安打を放ちました。堅実な守備や走塁でも持ち味を発揮してきた西尾選手は、「これからも走攻守でアピールします」と頷きます。真っ直ぐな思い、野球に真摯に向き合う西尾選手の努力が報われますように。

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桑原秀侍選手は、「これが今の実力。実力が足りてないということなので 」と静かに現実を受け止めました。2軍では16試合に出場し、打率.233。シーズン序盤は3軍が主戦場でなかなかチャンスがありませんでした。「今年は前半戦調子も良くなくて、結果を出そうとしすぎてフォームが崩れていった」と3軍での日々を振り返ります。

ようやく掴んだ2軍でのチャンスは6/21のくふうハヤテ戦。今季初出場初スタメンで2安打1打点。翌日は3安打2打点の活躍でした。「悔しい思いもあったけど、今までやってきたことを出すだけ」と語っていました。アグレッシブで勢いあるプレーが光りましたが、継続して結果を残すことは出来ず、唇を噛みました。

苦しい時、自主トレで師事した今宮健太選手からの「頑張れよ」という優しい言葉に励まされたこともありました。様々な思いを胸に秘めながらも「これからもやり続けるのみです」と先を見つめました。

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高卒4年目の藤野恵音選手は、2軍戦で自己最多となる42試合に出場し、打率.262。コツコツと安打を重ねてアピールしてきました。5月以降は、内野手登録ながら、外野に本格挑戦し、持ち味の俊足を生かして活躍の幅を広げました。藤野選手は「7月に調子を落としちゃったけど、ここでグダグダいかずに、来年のキャンプでA組に入れるようにまた頑張っていきます」と決意しました。

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それぞれの思いを胸に7/31を迎えた若鷹たち。今季中の1つの大きな目標は叶えられませんでしたが、それぞれが気持ちを切り替えて、止まることなく走り続けます。

そんな選手たちのここからの這い上がりを楽しみに、引き続き応援したいですね。

Writer /

上杉 あずさ『班長』