17日、福岡ソフトバンクホークス2軍はホーム開幕戦を迎えました。ファーム・リーグ西地区のホークスは、タマスタ筑後で広島東洋カープと対戦し、2-0で完封勝利。
14日にビジターで開幕した同リーグですが、オリックス・バファローズと2連戦は連敗。この日が、斉藤和巳2軍監督体制となって、公式戦初勝利となりました。

開幕1軍へアピール投球の2人
1軍の開幕ローテーション争いの渦中にいる上茶谷大河投手が先発。7回1安打無失点と好投しました。6回まで無安打投球を続けていましたが、「たまたまです」と気には留めません。
熾烈なローテ争いが続きますが、「球1つ1つ見ても、ローテ入りが決まっている投手に僕が勝てるかっていうと、自分がコーチだとしてもキツいんですよ。そういうボールってないんですよ。だから、僕にはコントロールしかないので。そこは意識して」と上茶谷投手。ハイレベルな競争を勝ち抜くために、結果を残しても、冷静に足元を見つめました。
見守った川越英隆コーディネーター(投手ファーム統括)は、「去年と全然違う。取り組みが良いんだと思う。(開幕ローテ入りの)壁は高いけど、今の投球を続けていたらチャンスはある」と高評価。
斉藤2軍監督には「ホークス来て初仕事?!やるねぇ〜」と愛あるイジり。笑顔で声を掛けられていました。

8、9回にマウンドに上がったのは伊藤優輔投手。1軍のリリーフ陣の中でアピールを続ける1人ですが、この日も2回をパーフェクト投球。
「かみちゃが良い流れで繋いでくれたので」と笑みを浮かべた伊藤投手。春先、出力が上がらず悩んでいたそうですが、この日は最速149キロをマーク。テーマに掲げるフォークボールにも手応えを感じていました。「(良い結果にも)満足せずに、しっかり良い状態で入れるように頑張ります」と気を引き締めます。
さらに、「1試合1試合勝負だと思って、危機感持ってやりたい。藤井(皓哉)の穴を埋められるように」と決意を込めました。

斉藤和巳2軍監督の総評
「今日は1軍から来ているピッチャーのおかげ。逆にやってもらわんと。ローテとリリーフでしのぎを削っている2人が投げると決まっていたので、2人ならどうにかなるだろう、どうにかしてくれという感じで見ていました」と今季初勝利を手繰り寄せた選手たちに感謝しました。
この日、スタメンには6人の育成選手が名を連ねました。通常、2軍公式戦の育成出場枠は1試合5名以内という規定がありますが、現在は「WBC特例」により緩和されています。
「WBC特例」とは、各球団のWBC 出場選手数が、2軍戦の育成選手出場枠の上限5名に加算されるというもの。WBC終了後、1軍または2軍公式戦に当該選手が合流した時点で、その1枠は終了するとされています。
斉藤2軍監督は「枠が元に戻るのは時間の問題。日本代表が負けたのも残念ですけど、プラス育成枠が減るのがね」と残念がります。
「幸い、うちは日本人外国人含め多くの選手がWBCに出場したので、多くの育成選手にチャンスがもらえた。これは代表に違う角度で感謝しないといけない。それまでは育成選手にも多くのチャンスをあげたいと思っていたので」と感謝しながら、育成方針を語りました。
チャンスを貰った”育成打線”が期待に応えるように躍動したこの日。チーム6安打は全て育成選手が放ったものでした。
先制点の起点となったのは3回、佐倉俠史朗選手の二塁打でした。内野ゴロや敵失の間、走塁でも好判断を見せました。斉藤2軍監督は「佐倉は打つ方で期待している選手やけど、彼は1年目から走塁に意欲的なので。ああいう瞬時の判断でしっかり出るなと感じた。成長はもちろん感じる」と称えました。
走塁意識については、「2軍だけでなく、1軍も含めてうちのチームは常に次の塁を意識してやっている。特に2軍以下の組織は常にアグレッシブにトライしていこうとやっているので。そういうところが隙のない走塁に出たという感じでしたね」と頷きます。


4回二死3塁のチャンスでは、藤野恵音選手が右翼への適時打。貴重な追加点を挙げました。3打数2安打と唯一のマルチ安打です。春季キャンプをC組で完走した藤野選手。悔しい気持ちを胸に秘めながらも、黙々と取り組んできた成果が徐々に発揮されているのではないでしょうか。スタメン2試合連続安打です。


そして、昨年11月に腰を手術し、リハビリを続けてきた中村晃選手の復帰戦でもありました。中村選手は「3番・DH」でスタメン出場し、3打数無安打。「ストライクにはしっかり反応できた。最初にしては良かったのではないか」と安堵しました。
斉藤2軍監督は「1軍のレギュラー張るような主力選手は全てが早い。準備のための準備をしている。ただ準備をするだけでなく、全てしっかり逆算できている。そういうところを他の選手が見てるのかどうかというのと、どう感じているのかどうか。いいお手本がいるので。いつまでお手本がいてくれるかわからないし、良いところはどんどん真似してもらいたい。当たり前を当たり前にできるのが大事なんで。その当たり前の質が高いというか。そういうところはさすがです」とベテランの姿を語りました。

「チームとして初勝利できた。勝てばベンチの雰囲気も良くなるし、いいことですね」と笑みを浮かべた斉藤2軍監督。試合後は、首脳陣にも選手たちにも充実感が滲んでいました。



記念すべき”和巳2軍”体制、最初の白星。今季の2軍がより一層楽しみになる一戦でした。
