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打率4割超の山本恵大が貫く”プロの仕事”

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公開日:2026.04.29

「やっとけば、そういうことも起きるっていうのを体験できたんで」

まさに人事を尽くして天命を待つ──。

とにかく目の前のことを”プロの仕事”として貫き、来る時を待ちます。

「.444」──。
4月28日の試合後、”驚異の打率”に周囲も驚きました。

福岡ソフトバンクホークスの山本恵大選手が、ファームで圧倒的数字を残しています。

5日のファーム交流戦の読売ジャイアンツ戦から28日の同千葉ロッテマリーンズ戦まで9試合連続安打。29日の代打1打席は凡退するも、ここまで一度も3割を切ることなく、最近はずっと”4割超え”の高打率をマークし続けています。

山本選手は、「『こういうピッチャーだからこうしたい』っていうのが頭の中で整理出来ている。打っているからっていうのもあるんですけど、余裕を持って打席に立てています。あとは今、打つ球の選び方もいいかなと。去年の今の時期もそうだったんですけど、打つべき球を打ちたい方向に打てています」と好調の要因を語ります。

頭の中が整理された状態で挑めるのも、毎朝のルーティンの成果です。

朝8時前後から30分程、ミーティング前にバットを振っています。打撃投手の加藤洸稀さんにサポートして貰いながら、自身の打撃の形を作り上げてきました。

オープン戦は9打席で無安打だった山本選手。実は”気持ち悪さ”を感じていました。元々、逆方向に長打を打てるのが持ち味でしたが、自主トレでは”右方向にも長打”が打てるように取り組みました。すると、目付けや球の見え方が変わり、違和感が。持ち味も消えつつあったため、それを修正するべく練習に取り組み始めたといいます。

2軍に再合流した3月11日から、ホーム戦の日は毎朝、加藤打撃投手とルーティンワーク。加藤打撃投手は「これだけ成績出しても変わらず、ブレずに頑張っていてスゴい。もっと手伝えることがあったらなと思う、応援したくなる人です」と2021年ドラフトで同期入団の先輩に敬意を込めます。

まさに、山本選手の活躍は準備の賜物なのです。

“仕事”と向き合う日々

しかし、結果を残しながらも、今季はまだ1軍昇格がありません。

「最初はなかなか苦しい時もあったんですけど、もう『こういうもんだ』と思って。仕事だし。試合は毎日やってくるじゃないですか。なので、良い気持ちで入れた方がいいと思う。全然、気持ちが落ちるとかもないです。もちろん、打てなかったりしたら『悔しい』とかはあるんですけど、これは仕事だし。全然大丈夫です!野球だって、いつまでできるかわからないので」

山本選手は冷静でした。毎日、変わらぬ気持ちで淡々と試合に挑みます。

そんな現状を、気にかけてくれる人も多いといいます。斉藤和巳2軍監督はじめ、様々な人が声を掛けてくれました。

それでも、山本選手は「気持ちのこととかもいろいろ聞かれるけど、全然僕は大丈夫ですよ。周りのことも気にしないし、僕がどうこう言って変わるものではないので。試合の対ピッチャーにしっかり集中して、準備の段階からやろう、って感じです」と頷きます。

「3軍の時からそうなんですよ。このチームに入ってきた以上はそうじゃないですか」と競争の激しいチームで戦う覚悟はとっくに出来ています。

チャンスを掴むのは簡単ではありませんが、ひたむきに取り組み、結果を残していく姿を”見てくれている人”は絶対にいるはず。折れることなく真っ直ぐに”仕事”と向き合っています。

励みになる”昨春の大逆転”

その気持ちでやり続けられるのは、”大逆転”の経験があるから──。

昨年4月12日に支配下登録を掴んだ山本選手。育成4年目で悲願の昇格でしたが、その約2か月前の春季キャンプ、山本選手の姿は”戦いの舞台”宮崎ではなく、若手中心の筑後キャンプ(C組)にありました。”筑後キャンプ最年長”だった山本選手は、高卒1、2年目の選手らに交じって汗を流しました。複雑な心境は当然ありましたが、黙々と自身のやるべきことに集中しました。

すると、2軍開幕から結果を残し、離脱者が相次いだ1軍の救世主として、見事支配下登録されました。まさにC組からの”大逆転”で1軍の舞台へと這い上がりました。

「去年もキャンプC組だったじゃないですか。でも、そこからトントン拍子で支配下になれた。だから、『やっとけば、そういうことも起きる』っていうのをすごく体験出来たので。でも、ずっとやっていないと、チャンスって訪れないと思うので。何かがガラッと変わることもあると思う」と準備し続けることの大切さを強調します。

山本選手の言葉には、重みがあります。

長いプロ野球のシーズン、何が起こるか分かりません。チャンスが訪れた時に、一発回答するために、山本選手は毎日変わらず、”プロの仕事”を真っ直ぐに貫きます。

Writer /

上杉 あずさ『班長』

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