選手たちの成長を後押しするために──。
球団としても初めての試みを検証中です。
1月19、20日、福岡ソフトバンクホークスのファーム本拠地「HAWKSベースボールパーク筑後」に集められた育成選手たち。ここで2日間に分けて、様々な“テスト”が行われました。19日には400メートル走、20日にはバイクの“テスト”。その他、筋肉量や筋出力、ジャンプのパワー値なども測定されたといいます。
育成練習が行われなかった今オフ。これまでは、12月と1月の一定期間、育成選手たちは基本的に筑後でコーチやスタッフの下、合同自主トレのような形で練習してきました。しかし、今オフは自主性を重んじる形で“強制”の育成練習は行われませんでした。
「今までと違って、選手にかなり自由度を与える形です。その分、やりたい選手には環境を準備しています」と説明するのはハイパフォーマンス S&C部門を司る大塚潔コーディネーター。希望者には、練習メニューやサポートしてくれるコーチ、スタッフ、食事を用意するなど、環境を整えました。



特に初めてオフシーズンを過ごす(今季が2年目になる)選手たちは、積極的に活用していました。一方、自主性に任せた分、球団としては、見えないところで練習してきた選手の状況を把握するのは難しくなります。そこで、昨年までは育成練習の中で行っていた“テスト”を今回は日にちを指定し、招集をかけて行うことになりました。
「オフに入るにあたって、偏ったことはやらないように、バランスよく、総合的に強くなろうねと送り出していました。例えば、身体を大きくしたいからって体重だけ増やすなよ、とか。基本的に測定項目はシーズン中と同じものなので、シーズン中のアベレージより下がらないように、出来れば良くなって帰ってきてねと伝えていました」と大塚コーディネーター。
「頼もしかった」垣間見えたそれぞれのオフ
果たして、選手たちのオフの取り組みはどのような形で反映されたのでしょうか――。
担当した大宜見諒2軍SCは、「みんなちゃんと数値が上がっていました。秋のキャンプで仕込んでいた(フィジカル面の)課題に自分たちでアプローチできることを示してくれました。みんな自信ありげにこのテストに来てくれて、頼もしかったですよ」と選手たちの取り組みを評価しました。


大塚コーディネーターは、「比較的みんな頑張ってきたんじゃないですか。バランス悪いな、練習の仕方間違えたかなと思う選手も1、2人いたけど」と現状を把握し、必要な選手にはフィードバックを行いました。
キャンプインに向けて、自主トレが上手くいかなかった選手が修正できる猶予を持たせるために、このタイミングでの実施となったそうです。「自主トレで先輩についていってた子たちには申し訳ないところもあるけど、その選手のことを総合的に考えると、この時期にコーチ陣に見ておいてもらえるのは絶対アドバンテージになるので」と思いやります。(今回参加できなかったメンバーは、別日に実施予定とのこと。)
育成練習を今後やるのか、やらないのか。やるならばどんな形でやるべきなのか、「ちゃんと検証しないといけない」と若手選手が迷わずオフの自主トレに取り組めるように、球団もより良い仕組みづくりを模索中なのです。
「彼らにとって、何より貴重なのが時間資源なので」
自分たちで考えてしっかりできるのであれば、育成練習が“拘束”になってしまう可能性も。従来の育成練習と違った形を構築するキッカケになる取り組みでした。
大塚コーディネーターによると、「メジャーやマイナーでは、ピッチャーの立ち上げのためのピッチングキャンプを2週間やっているチームもある。そういうのも参考にしつつ、モデルにした方がいいのか、悪いのか」と視野を広く持ちながら、選手にとって何が1番良いのか、球団としても検証している段階です。
「何人かは支配下になってもらわないと。枠もイニングも空いてるんだから」と育成選手たちに発破を掛けた大塚コーディネーター。意識高くオフを過ごしてきた選手たちが、まずはキャンプでどんなアピールを見せてくれるのか注目です。
