未来のワールドクラスの逸材が、プロとして初めての安打を記録しました。
今年1月、福岡ソフトバンクホークスに入団したキューバ出身のジョナサン・モレノ選手。
昨年、沖縄で行われたU-18 野球ワールドカップではキューバ代表としてプレー。巧みなバットコントロールと軽快な守備が持ち味の遊撃手として、注目を集めました。
ホークスは、そんなポテンシャルを秘めた”逸材”にラブコール。
モレノ選手は、異国の地でプレーすることを18歳という若さで決意し、来日しました。今季から背番号「174」を背負い、育成選手としてホークスでプレーしています。
ここまでは3、4軍で練習や試合を重ねてきましたが、存在感は際立っていました。そして、早くも2軍戦での出場機会を得ました。
6月5日のファーム・リーグの広島東洋カープ戦で、6回から遊撃の守備につきました。「少しプレッシャーのようなものはありました」と初めての公式戦に緊張感を感じていたモレノ選手。いきなり飛んできた遊ゴロをファンブルするミスから始まりましたが、その後は持ち味の華麗な守備を披露。

7回に回ってきたプロ初打席は右飛に倒れ、9回の第2打席は見逃し三振。それでも、身長178センチ70キロの小さな身体を目一杯使ったフルスイングで、観衆に期待感を抱かせました。
そして、翌6日の同戦は「2番・遊撃」で初スタメン。モレノ選手は「2軍のスタメンで出られるというのはなかなかないこと。良いチャンスをもらえたのでしっかりやっていこうと試合に入りました」と集中しました。
第1打席、敵失で出塁すると、次の打者の初球で盗塁成功!プロ初盗塁をマークしました。「出塁したらいつも次の塁を狙っています。足の速さには100%自信がある」と胸を張るスピードでアピール。
3回の第2打席は四球。そして、5回の第3打席でした。豪快なスイングから放たれた打球はぐんぐん伸びて、右中間フェンス直撃の二塁打に!


モレノ選手は、「打った瞬間、打球がどこへ飛んだのか実は見えていなくて。全力で走りました。すごく嬉しかったです」と興奮気味に振り返ります。記念すべきプロ初安打となりました。
異国の地でスタートしたプロ野球選手としての第一歩。その大切な記念球は、キューバの実家に飾るそうです。これまでの野球人生で放った節目の安打や本塁打の記念球を飾ってある場所に加わる、”新たな挑戦の軌跡”です。
モレノ選手は、「これからも毎日もっともっと成長していきたい」と語りました。まず掲げる目標は、支配下登録。1軍の舞台を目指して、成長を誓いました。

モレノが抱く”もう1つの夢”
モレノ選手にはここで叶えたい”もう1つの夢”がありました。
「ずっと一緒に野球をしてみたかった」と羨望のまなざしを送るのは、キューバの先輩、リバン・モイネロ投手。
実は先日、少しだけその夢が叶ったのです。
5月14日の3軍戦でのこと。調整登板したモイネロ投手と1イニングだけ一緒にプレーすることが出来ました。
「今までずっとモイネロさんを見てきたけど、こういう機会はなかったので、1イニングだけでしたが、すごく嬉しかったです」



モイネロ投手の後ろを守ったモレノ選手。「日本に来て初めて面と向かって会えてすごく嬉しかった」と目を輝かせました。
昨年のU-18 野球ワールドカップの際には、モイネロ投手が現地に激励に来てくれましたが、ホークス入団後、ようやくグラウンドで”再会”出来たのです。
モレノ選手にとって、モイネロ投手は「素敵な人。もちろん、グラウンドの中もそうですけど、グラウンドの外でもすごく優しい」と憧れの存在。

「ずっと一緒に野球やってみたかったので、夢が叶って嬉しい」
1イニングだけでしたが、モレノ選手にとって、かけがえのない大切な時間になりました。そして、「次の機会が1軍になるように頑張ります」と力強く語りました。
まだまだ無限大の可能性を秘めた18歳が、ここからたくさんの夢を叶えていく姿を楽しみに見守りたいです。
