安定感ある打撃でアピールを続け、1軍昇格を掴みました。5月26日、廣瀨隆太選手が出場選手登録されました。開幕1軍入りしながらも、4月3日に登録抹消されていたスラッガーは、ここまで2軍で安定した結果を残してきました。
4月29日のファーム・リーグ交流戦、千葉ロッテマリーンズ戦から9試合連続安打。17日のオリックス・バファローズ戦こそ無安打でしたが、そこから再び5試合連続安打で打率は3割を超えました。5月25日時点で、規定打席までわずかに3打席足りていませんが、打率は3割ちょうど。同・リーグ西地区の”隠れ首位打者”に。
廣瀨選手は「しっかり打つべき球を打てていたので、そこが1番良かったかなと思います」と手応えを語っていました。
森笠繁2軍打撃コーチは、「同じことを続けられている。打席の中での割り切りもできているので、それがいい結果になっている」と頷きます。
さらに、「むちゃくちゃに(球を)追いかけなくなった。自分の中で『ここは待とう』『我慢しよう』っていうのが試合で出来ているから、良いカウントも作れるし、自分が思っているところにきた球を捉えられている」と冷静さを評価していました。

技術的には、手だけで打ちにいきがちだった昨季から、現在は胸をしっかり先に回して打ちにいけているといいます。
「元々そこそこ振る力はあるので、力任せにならない場面も必要。引っ張るだけじゃなく、追い込まれたらセンターから逆方向にも打つようになった」と森笠コーチは様々な面での成長を認めます。

「安定している」自身に矢印を向ける日々
今季は開幕1軍を掴むも、1週間後には2軍降格。一塁守備で途中出場した、わずか1イニングにとどまりました。悔しいスタートでしたが、廣瀨選手は冷静に現状を受け止めていました。
「選手層が厚いのは分かっているので。普通に自分の力を日々伸ばしていくだけっていうか。そこだけに集中して、自分がコントロールできない部分はもうしょうがないので」
とにかく自分に矢印を向けて、黙々とやるべきことに取り組んできました。2軍で過ごす日々も、廣瀨選手はどこか晴れやかで清々しい表情が印象的でした。
森笠打撃コーチも「上手くいかない時、今までだったら少し自分から苛立って崩れる部分があったんですけど、今は安定している」と証言します。
昨季は、気持ちの波が感じられることもありました。今季は根気よく冷静に、自分自身と向き合えている──。いい結果が出ている要因の1つのようです。

取材する中でも、今年の廣瀨選手には昨年よりも”柔らかさ”を感じていました。
そんな変化を感じたことを本人に伝えると、「まだ始まったばかりじゃないですか」と笑みを浮かべました。
「自分の力を伸ばす、伸ばしていく。それが仕事なんで。それしかない」と気持ちはブレることなく前を向いていました。
守備では、内野の様々なポジションをタフにこなしてきました。軽快なプレーでチームに貢献する場面もここまで多くありました。金子圭輔2軍内野守備走塁コーチは「上達していますよ。1軍で出ないとなかなか培っていけない責任感もある。上で経験積みながら、いずれ中心選手になっていかないとね」と頷きます。
「どこでチャンス来るか分からないですし、誰がどうなるかも分からないので。セカンドだけじゃなくて、サードやることもあるでしょうし、ファーストやることもある。そこはいろいろ自分でいきなり上がった時に対応できるように準備しています」と廣瀨選手。打撃のみならず、守備への意識もより高く取り組んできた成果を発揮する時がやって来ました。


ちなみに、少し前のこと。伸ばしていた髭を剃った廣瀨選手。何か気持ちの変化があったのかと思って聞いてみると、「気分です」と微笑みました。特に深い意味はありませんでしたが、そんな柔らかい表情も”安定感”を物語っていました。
チームに欠かせない新たなピースへの期待がかかります。このまま打撃も心も”安定感”キープで、1軍での活躍を期待しています。
