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「前だけを見て」挑み続ける…”未来の長距離砲”が語る決意

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公開日:2026.08.10

ルーキーイヤーより身体が絞れて、顔付きもキリッとたくましくなりました。大卒2年目の夏、支配下登録は叶いませんでしたが、未来の長距離砲は、確実に成長を続けています。

2024年育成ドラフト10位で東北福祉大から福岡ソフトバンクホークスに入団した漁府輝羽選手。パワフルなスイングから放たれる長打が魅力の右の大砲候補です。1年目は3軍で実戦経験を重ねてきました。2年目の今季も3軍が主戦場ですが、貴重な2軍戦出場機会に”プロ初安打”をマークし、大きな一歩を踏み出しました。

7月23日、漁府選手は2軍公式戦初安打を放ちました。通算15打席目にして、待望の「Hランプ」を灯しました。

ルーキーイヤーの昨季は2打席チャンスを貰いましたが、無安打に終わりました。その悔しさを胸に、以降はコンタクト率アップを目指して取り組んできました。

5月17日のファーム・リーグのオリックス戦で、今季初スタメンの機会を得ました。しかし、無安打のまま3軍へ。7月18日の広島戦から再び2軍戦でベンチ入り。2か月越しのチャンスで「今度こそは」と結果を求めました。

しかし、19日に1打席、20日にはスタメンで4打席立つも、安打は出ず。「チャンスもいただいているのに結果が出ないのが、すごく悔しいというか情けないというか……。去年より勝負できるなと思って臨んだんですけど、なかなか結果が出ない。自分が思っている以上にもっと練習からやっていかないといけないなと感じています。そこが足りないから結果として出ないんだと思う」と唇を噛みました。

ただ、「やってきたこと自体は間違っていないと思うので、そこを継続してやり続けるしかない」と自身の取り組みには胸を張りました。あと一歩で、”1つの光”が見えそうなところで、もがいていました。

惜しい当たりもありましたが、なかなか安打にならない”産みの苦しみ”を感じながらも、漁府選手は前だけを見つめました。

「もう一押しなんです。(打球が)飛ばない感覚もないですし、無理だとは思わない。いけると思っている分、打てていないのが悔しいです」と折れずに挑み続けました。

すると、23日の中日戦。5回の第2打席でした。変化球をセンター前に運び、待ちわびた一打が飛び出しました。

ホームインしてベンチに戻ると、チームメイトたちからの祝福。そして、なぜかプロ初安打の”記念球”が2球渡されました。「たぶんイジられて2つくれたんだと思います」と頭を搔いた漁府選手の周りは、たくさんの笑顔で溢れていました。みんなに愛される漁府選手の人柄が表れるシーンでした。

「”もう無理だ”とは思わない」…より強くした決意を胸に

最初の目標だった”プロ初安打”を見事達成しましたが、漁府選手は既に次を見据えていました。「初ヒットは嬉しかったけど、ホームランとか長打でインパクトを残したかったです」と満足しませんでした。

自身の成長を感じた部分もありましたが、支配下への道のりが簡単ではないことも肌で感じた漁府選手。

「2軍の選手と自分の差を感じました。150キロの真っ直ぐには差し込まれたし、低めの球の判断もまだまだ」と課題も明確になりました。

だからこそ、2軍で過ごす貴重な時間を無駄にはしません。中村晃選手や嶺井博希捕手、山川穂高選手らベテランにも臆せずベンチで話を聞きました。

「すごい人たちがたくさんいる。この中で1番にならないと支配下はないので、圧倒的な数字を残せるようになりたい」

決意を強くした時間でした。さらに、7月末には3人の投手が支配下登録され、外国人投手の補強もありました。野手にとっては、チーム事情的にも厳しい現実でした。

2軍で3割前後の打率をマークするなどアピールしてきた大泉周也選手や西尾歩真選手でも掴めなかった”2桁の背番号”。「タイミングもあると思うけど、1つの基準としてそれ以上の数字を残さないと支配下にはなれないと思いました」と受け止めます。

さらに、「正直、自分からしたら、”絶対支配下になれる”という成績は残せていなかったので。評価されるまでの結果を残さないと、こういう土俵には立てない。よりもっとやらないといけないなと思いました」と冷静に現実と向き合いました。

ホークスは選手層も厚く、育成から支配下になる戦いは簡単ではありません。それでも漁府選手は「もっとやらないといけないし、自分が足りなかっただけ。『もう無理だ』とは思わないし、そっちの感情は1回も出てこなかったです。自分が結果を残すだけ」と力強く語りました。

「前だけ見て、進むしかない」

漁府選手は、これからも前向きに真っ直ぐに挑み続けます。いつか花開く自分を信じて──。

Writer /

上杉 あずさ『班長』

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