チームの緊急事態──。”貴重な姿”で起用に応えました。石塚綜一郎選手が、約2年ぶりにスタメン捕手として試合に出場しました。
9月23日のファーム・リーグ広島戦(由宇)。当日の朝、首脳陣から捕手でのスタメンを言い渡され、「めちゃめちゃ焦りました」と石塚選手。
内野手のミーティング中、「バッテリーミーティングに行ってくれ」と言われ、緊張感が高まりました。捕手の練習は時々していましたが、バッテリーミーティングには初参加です。
先発は怪我から復帰して2戦目となるアレクサンダー・アルメンタ投手でした。3軍時代にバッテリーを組んだこともある左腕で、コミュニケーションには問題ないものの、「球がめちゃくちゃ進化していました。球の質も良くなってるし、変化球のコントロールも良くなってるし。さすがだなと思いました」と成長した左腕との久々のバッテリーに感激もしました。

終始ドキドキしていたという先発捕手でしたが、筑後から駆け付けた牧原巧汰捕手と交代し、5回の守備から左翼へ。「大きなミスはしなくてよかった。やらかしたらヤバいんで、マジで必死だったっす。ピッチャーに迷惑かけないようにって」とホッとした様子でした。
髙谷裕亮2軍バッテリーコーチは「緊急事態だったので、怪我だけせんようにと祈りながら。でも、意外と出来た。ってキャッチャーだからね」と振り返りました。

2軍に帯同していた渡邉陸捕手が22日、感染症特例で出場選手登録を抹消された谷川原健太捕手に代わって1軍に昇格。21、22日の同戦は育成の大友宗捕手がフル出場するも、打球を受けた影響などで筑後戻りに。23日の2軍帯同捕手が石塚選手だけとなったことで、その機会が巡ってきました。
今年4月に一度は捕手練習を再開し、4月24日の広島戦(由宇)で7回からマスクを被りました。しかし、あくまでも”有事に備えて”という位置付け。今回も、「マッキー(牧原巧)来るからそれまで頑張ってくれ」と言われての起用でした。
スタメン捕手としての出場となると、2年ほど前まで遡ります。「僕のかすかな記憶だと、2年前の3月頃の2軍戦で石川(柊太)さんと組んだ記憶ですね。その後、1軍のオープン戦に呼ばれて、帰ってきたら、(これからは)外野って言われました」と振り返ります。
「消したくはない」…捕手登録への思い
育成入団から7年、変わらず捕手登録ですが、持ち味は打撃。2024年に支配下登録されて以降も、1軍公式戦で捕手として出場したことはなく、2軍でも一塁や外野での出場がメインとなっています。
それでも、石塚選手は捕手登録を外れる考えは現状、ありません。「(可能性を)消したくはないんです。やっぱり登録を変えると、『もう(完全に)ないんだな』と思われる。球団もどう考えているかわからないですし、自分も今後どうすべきなのかわからないので」と石塚選手。”武器”として持ち続けたい思いも明かしました。
一番の思いとしては、1軍で出ること。石塚選手は「どこで出るかっていうのは別に問わないですし、出られるところで1軍の戦力になりたい」──。

今季1軍では、7試合の出場にとどまっています。チャンスを掴んだ6月に顔面死球で下顎骨骨折という大怪我もありました。それでも、強い精神力で早期復帰してみせるなど、心身ともにタフさは健在。「大事な試合に呼ばれるように。もっと結果を出していかなきゃいけないなと思っています」と意気込みます。
ファーム・リーグ公式戦は全日程を終えました。シーズン最終盤に訪れた貴重な捕手機会。改めて、戦力になるためなら、なんだってやるんだという気概を見せた石塚選手。そのタフな精神で、再びチャンスを掴んでくれるはずです。
