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「これがいつか良かったと思えるように」…稲川竜汰が知ったプロの”恐ろしさ”と踏み出した一歩

ちくごNews
公開日:2026.10.28

苦しんだルーキーイヤーを糧に、再び一歩踏み出しました。7月末に左膝外側半月板形成術を受けていた稲川竜汰投手が27日、術後初めてブルペンで立ち投げを行いました。

昨秋、九州共立大からドラフト2位で福岡ソフトバンクホークスに入団した本格派右腕。開幕1軍入りしましたが、1試合のみの登板で登録抹消。ファームでは試合から離れ、フォームの見直しや失った感覚を取り戻すべく、様々なことに取り組みました。その後、5月下旬に3軍で実戦復帰を控えていたところで左膝を負傷。7月末に手術を受けました。

リハビリ調整を続けてきた右腕は今月27日、ファーム施設「HAWKSベースボールパーク筑後」のブルペンへ。術後初めて、傾斜で立ち投げ。

「感触は最初にしては良かったかなと思います。でも、自分が思っている感じとボールが一致しないときもあったので、まずはいろいろ確認しながら」と傾斜の感覚やバランス、フォームを確認しながらの投球でした。

リハビリでは、患部の膝を強化しながら、上半身のトレーニングにも力を入れてきました。「あとは、下半身がしっかり使えて、踏ん張れるかどうかが問題になってくる」と一歩ずつ復帰へのステップを踏んできました。

ルーキーイヤーはプロ初登板となった4月1日の楽天戦(楽天モバイル)、わずか1試合の登板に終わりました。制球が定まらず、先頭打者に四球を与えると、2つの暴投で1失点。2つ目の四球を出したところで降板。1回を投げきれず、ほろ苦いデビュー戦でした。

初めて戦うプロの舞台で、心身の疲労も大きく、持ち味を発揮することは出来ませんでした。さらには怪我でリハビリ生活に。苦しいことの方が多い1年でした。

多くの学びと肌で感じたプロの現実

「(気持ち的には)難しい時もあったけど、こうなったことはしょうがない」

春先は、牧田和久4軍投手コーチと練習する中で、考え方を変えてみたり、メンタルコーチと話をしたりする中で得られた学びや経験もありました。「いろんな人にいろんな話を聞けたのは良かった」と振り返ります。

さらには、同じくリハビリ組で復帰を目指す藤井皓哉投手からも多くのことを学びました。

プロでのシーズンの過ごし方や考え方、技術面についても学びました。「僕がちょっと投げ方とか悩んでいるときに、いろいろ教えてくれました。僕は毎日いっぱいいっぱい投げていたので、3月のオープン戦の時点でもうもたなくて…。藤井さんは、キャッチボールとかも手を抜くわけじゃないけど、いろんな投げ方をやってみたり、全部一緒のフォームで投げるのではなく、たまにはちょっと違う感覚を入れてみたりしていて。そういうのはすごく勉強になりました」。

練習から常に全力で腕を振ってきた自身とは対照的に、藤井投手は、心身ともに”柔軟”に準備を行っていました。実績ある投手の日々の取り組みは、非常に参考になりました。

シーズンは終了し、1軍は日本シリーズを戦っています。自身はリハビリに費やした1年でしたが、大卒同期入団の鈴木豪太投手がポストシーズンでも活躍する姿に「エグいですね。嬉しい反面、悔しいですね」とこぼします。大きな舞台で結果を残す同期がいる一方、怪我の影響で相良雅斗投手のように1年で非情通告を受けた同期も。華々しさ、厳しさ、1年目から肌で感じるプロ野球の現実──。

「恐ろしいですね。でも、これもいい経験。そう思うしかないですね」

静かにその現実を見つめ、受け入れました。「(1年目は)あまりいい思いはないですけど、これがいつか良かったって思えるように頑張ります」と前を向いた稲川投手。来季はここから這い上がるだけです。

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Writer /

上杉 あずさ『班長』

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