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『和巳さんを胴上げする』 『負けていい勝負なんてない』…2軍優勝に見るその先

ちくごNews
公開日:2026.09.20

9月17日、福岡ソフトバンクホークスは福岡移転後初のリーグ3連覇を達成しました。

その前日、2軍はファーム・リーグ西地区優勝を決めました。今年から3地区制となり、阪神、オリックス、広島と共に西地区に属するホークスは、2位オリックスに10ゲーム以上の差をつけて、同地区初代王者となりました。

斉藤和巳2軍監督は、「チームとして西地区優勝を達成できたことを素直にうれしく思います。シーズンを通して、優勝だけを目指してやってきたわけで
はありませんが、選手一人ひとりがそれぞれの目標に向かって取り組み、成⾧を重ねてきたことが、この優勝につながったのだと感じています。ここで満足することなく、これから 1軍の戦力となる選手が一人でも多く出てくるように、引き続きチーム全員で取り組んでいきます」とコメントしました。

2軍が目指すのは、”優勝”ではありませんが、選手たちが一戦一戦、結果を残してきたことの積み重ねでたどり着いた栄冠でした。

現時点で、西地区の打撃ランキング上位には、笹川吉康選手(打率1位、打点3位、本塁打3位)、秋広優人選手(打点2位、本塁打3位)、髙橋隆慶選手(打率3位)、山川穂高選手(本塁打1位)らの名前が並びます。投手では、岩崎峻典投手が7勝で他の2投手と最多勝で並んでいます。

2軍は今日がホーム最終戦でした。公式戦は残り6試合。まだまだ結果を残し続けてくれるはずです。

コーチたちが語る2軍の優勝

◇◇森笠繁2軍打撃コーチ◇◇
「結果として勝ったのは、選手がやってくれたからだと思いますが、まだまだ成長を期待したいです。やっぱり1軍に上がっていかないと、2軍にいるままじゃダメだと思うので。優勝で満足することなく、さらに上を目指して」と語ります。

「勝ったのは良いこと。でも、まだまだ各々課題はあるし、まだまだ足りない。もうちょっと出来たんじゃないかって思うことを潰していかないとね。”嬉しい区切り”として一旦線を引いて、また次に向けて」と優勝を次のステップへのターニングポイントと捉えました。

◇◇髙谷裕亮2軍バッテリーコーチ◇◇
「2軍の最終目標は優勝じゃない。1軍でレギュラーを取るため、1軍で与えられたポジションの仕事ができる選手になるのが目標」と頷きます。

ただ、「負けていい勝負なんてないと思うんですよ」と熱を込めます。どの軍であろうと、バッテリーが抑え、打者が打つことで勝利に繋がる──。

「2軍とはいえ、課題に向かってやれば打たれていいということは、僕はないと思うんで。課題はあるかもしれないけど、キャッチャーはそれを上手く使いながらどうやってバッターを抑えていくか。ピッチャーも課題はあっても、抑えたいというのは絶対あるはず。我々は勝負師なので」と力説します。

それぞれが目の前の勝負に真剣に向き合い、勝利を積み重ねた結果が、この優勝に繋がりました。

さらに、「みんなが競争して、レベルアップしていくことで2軍のチーム力も必然的に強くなっていく。そんな戦力をどんどん送り込むことで、1軍も強くなる。だから、2軍でも3軍でもしっかり意識して取り組んでいかないと、勝負の世界というのは、置いていかれてしまうじゃないですか」と語ります。

しかし、”勝負師”として2軍の優勝という”結果”は残しましたが、1軍ではどうかという観点では、「まだまだ各々課題はあります」とキッパリ。冷静にその先を見つめました。

◇◇奥村政稔2軍投手コーチ◇◇
現役最終年の2023年、2軍で優勝を経験した奥村コーチ。もちろん、この年も最初から優勝を目指したわけではありません。シーズン終盤、優勝を狙える位置にいたことから、当時の小久保裕紀2軍監督が、”プレッシャーの中で優勝争いすること”を選手たちの成長に繋げる狙いで、敢えて意識させました。

すると、気付けば「小久保さんを胴上げしよう」が合言葉に。チーム一丸となり、2軍とは思えぬほど大いに優勝を意識して戦い、ウエスタン・リーグ優勝を成し遂げました。その経験は、奥村コーチの中にも色濃く刻まれていました。

「やっぱりスポーツ選手、何軍でやろうが、勝負師なんですよね。3軍でやっていようが、2軍でやっていようが、勝利にこだわって欲しい。例えば、負けても『俺はやるべきことやりきったからいい』じゃなくて。悔しさとか勝ったときの喜びとかを持てなかったら、スポーツ選手じゃないと思う。そこ(2軍の優勝)を目標にはせんでいいかもしれないけど、やっぱりファームでも優勝、1番になったら喜ぶべきだと思う」

さらに、奥村コーチが今回の優勝を「めちゃくちゃ嬉しかったですね」と語ったのには、もう1つ理由がありました。

「自分、コーチ1年目から言ってたんです。『和巳さんを胴上げする』って。でもそんな機会(3、4軍には)なかったので。自分の中では、3年越しの思いみたいなのがありました」としみじみ語ります。

現役引退した翌年の2024年から、4軍ファーム投手コーチ補佐として指導者の道を歩み始めた奥村コーチ。同年、斉藤監督が4軍監督になると、翌年3軍、今年から2軍と共に階段を登ってきました。奥村コーチは、心から慕う指揮官への思いを明かします。

「本当は(自分も監督の下で)胴上げしたかった。でも、選手が主役やけんちょっと離れたけど。自分的には、やっと和巳さんを胴上げできた、みたいな思いがありました。1個、目標達成みたいな」と目尻を下げました。

2軍首脳陣の熱い思い。いずれも選手たちの1軍での活躍を願っての愛ある叱咤激励でした。積み上げてきた成果に胸を張りつつも、現状に満足せず、更なる高みへ──。来年は1軍の優勝に貢献する選手が、1人でも多く羽ばたきますように。

Writer /

上杉 あずさ『班長』

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