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7失点KOから1週間…”武器”で魅せた村上泰斗のプロ初登板!

上杉あずさのスコアブック
公開日:2026.08.16

「次、抑えます」
有言実行のマウンドは、まさかの1軍でした。

8月15日の楽天戦(みずほPayPayドーム)で、4点ビハインドの8回表にマウンドに上がったのは、2年目の村上泰斗投手。

2024年ドラフト1位で神戸弘陵高校から福岡ソフトバンクホークスに入団し、今季が2年目。1年目は5月に実戦デビューするも、6月以降は右肘と腰を痛めてリハビリ組で過ごしました。2軍デビューした今季はここまでファーム・リーグ4試合に登板し、1勝2敗。防御率6.23。

前日14日にプロ初昇格した19歳は、”消化試合”でもなんでもない、リーグ優勝を目指して戦う真っ只中に、1軍マウンドに上がりました。

先頭の中島大輔選手への初球、自慢のストレートは153キロを計測。3球で追い込むも、7球粘られた末、この日の最速154キロの直球はボール球となり、四球を与えます。続く辰己涼介選手に右前打を許し、無死1、2塁のピンチ。しかし、ここからが村上投手の”魅せ場”でした。

3番・宗山塁選手をカーブで見逃し三振。4番・マッカスカー選手をスライダーで空振り三振。いずれもこの日、本塁打を放っていた好打者を封じました。最後は、前夜のヒーロー・YG安田選手をカーブで空振り三振!ピンチは作りましたが、相手クリーンナップを3者連続三振という素晴らしいデビュー戦でした。

7月の3軍戦にてみずほPayPayドーム初登板の村上泰斗投手

「実力がなかった」…1週間前の反省

遡ること約1週間──。

8月7日、ファーム・リーグ交流戦の横浜DeNA戦(横須賀)で先発した村上投手。3回まで無失点投球でしたが、4回に1点先制を許すと、5回に3連続適時打を浴びるなど、5本の安打と四球で1死も奪えずに降板。後続の北斗投手もその流れを止めきれず、村上投手は4回0/3を9安打7失点で敗戦投手になりました。

「調子自体は悪くなかったんですけど、4回からちょっと初球が(ストライク)取れなくなって。(投球の)間も単調になって、まっすぐが抜けて、変化球が甘くなったところを打たれたり、変化球が抜けて、まっすぐが甘くなったところを打たれた。あれだけ打たれたことも初めてでした…」

なかなか1つのアウトを奪えない、というのも経験のないことでした。

悔しいマウンドでしたが、その晩、冷静に映像を見返しました。「『なんで打たれたんやろ?』っていうのが1番大きかったので。やっぱりそれは今、課題としている初球のストライク率とか、決め球の高さとかっていうところに繋がっていました。リズムが単調になって打たれたところもあったし、次の登板では抑えていきたい」と反省を口にしました。

そして、「やっぱり打たれたことは事実なんで。実力がなかったっていうのは確かなので、練習するしかないです」と唇を噛むも、すぐに切り替えて前を向きました。

「打たれて学ぶことも多いですし、いい機会にしたいですね。次、抑えます!」と力強く宣言し、迎えた次の登板が、まさかの1軍の舞台だったのです。

プロ初登板では、打者5人中3人から初球ストライクを取りました。ストレート中心の投球で四球、安打を許した後は、変化球を有効に使い、3者連続三振と見事に修正しました。有言実行の”「次、抑えます!」宣言”でした。

伸びしろ無限大!村上の”武器”

奥村政稔2軍投手コーチは「あのカーブがポンポン決まり出したら、少々のことでは手はつけられない」と頷きます。さらに、「スライダーはまっすぐの軌道から曲がるし、カーブは縦にドロップみたいに落ちる。それがポンポン入れられれば、相当楽に抑えられると思う」と村上投手の”武器”の魅力を語っていました。

この日ナイターで行われた2軍戦前に、デビュー戦を映像で確認したという小笠原孝2軍投手コーチは、「先頭四球で『あら』と思ったけど、そのあと三振。その辺が只者じゃない。そこで自分の武器で三振を取れるのが良かった。まっすぐがいいのはみんな分かっているので」と頷きました。

「マウンドにいって、自分のパフォーマンスをさっと出せるのはなかなか難しいところ。持ち味を出せたのはすごく良かった。僕も接するようになって長くはないけど、とにかく負けん気が強い。どんどん向かっていく姿勢がいい。映像で見ても表情が良かった」と称えました。

小笠原コーチも”武器”という変化球で圧巻の3者連続三振を奪ってみせた村上投手ですが、試合後はそれに”満足していないコメント”を残していました。

「そう思えるのがすごい。自分の武器で勝負しているわけですから。まっすぐでも良かったと思えるのが、これから楽しみなところ」と小笠原コーチ。

変化球の精度が1つ課題だった中、大舞台で見事な投球を見せた19歳右腕。堂々の1軍デビューにも満足しない向上心と、見事な修正力、負けん気の強さ。まだまだ伸びしろ無限大の若鷹が、ここからどんなステップアップを見せてくれるのか、楽しみにしています。

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Writer /

上杉 あずさ『班長』

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